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感想 映画「バッドジーニアス」

セッション22で話題に挙げられていた映画、バッドジーニアスを見てきた。

タイ映画を見るのは初めての経験だったが、割とすんなりと内容が入ってきて、とても見易い作りをしてるなという印象を持った。詳しい映画の内容は抜きにして、一番心に残ったのは金の持つ魅力とそれに魅入られて堕ちていく人間の様と、それに抗い己の過ちを悔いて、新たな一歩を踏み出す人間の対比である。

出自の優劣で人生の大半が決まってしまう社会において、それに立ち向かい努力していく貧困層の人々。だが一度でもその優越感を味わってしまうと、それに取り憑かれたようにどんどんと貪欲になっていき、己を忘れてしまう。主人公と似た境遇にありながら、金に魅入られ堕ちていくもう一人の天才の姿がとても悲しくもあり、悲哀に満ちていた。

過去の過ちを認め、それを正すための道のりを歩む主人公が正しいのか、否か。その答えは描かれていないが、それが正義であってほしいと強く願わずにはいられない。甘い考え方かもしれないけれど、そう生きられるのであれば、自分も常にその選択が出来る勇気とバランス感覚は忘れずに持ち続けたいと思う。