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仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVERが教えてくれた物語との向き合い方

朝一で映画、仮面ライダー平成ジェネレーションズを見てきた。平成ライダーの映画を劇場にまで足を運んでみに行くのは久々だった(多分6年ぶりぐらい)。今回は平成最後、かつ今までの平成ライダーを総括する内容になるだろうということで、これはいち早く見に行かねばということで朝一の上映回を予約。全体的な感想としてはよくまとまっているなぁという印象だった。とかくオールライダー総出演系の映画にありがちな終始話の内容がとっちらかって、最後は強引にまとめたなぁという感はなかったので、綺麗な落としどころにストンと落ちたなと感じた。(野上良太郎の登場には事前のネタバレが全くなかったので、劇場の子供も大人も一様に驚嘆の声をあげていたのは印象的だった)

 

タイトルにもつながる感想としては、フィクション、物語、いわゆる創作物に対してどういうスタンスを取るべきか、一つの答えを力強く提示してくれた点は非常に良かった。仮面ライダーというものは作り物で実際の世界には存在していない。どんだけ自分がピンチに陥っても仮面ライダーは助けてくれない、ただの妄想の存在にすぎない紛い物なんだ。そんなことは十二分に分かりきっているけれど、いざその問いを投げかけられた時に迷ってしまう。じゃあ自分が好きな仮面ライダーとは一体なんなんだ?と自問自答しても答えはかえってこない。そんな自分に一つの答えを提示してくれたのが今作で、たとえ作り物であったとしても人の記憶の片隅にでも残るものがあれば、それはきっとその人にとって大切な何かになる、ということだった。

 

私たちが仮面ライダーに、そして数多ある物語に惹かれるのはその大切な何かを求めているからなんだなとこの映画を見て改めて実感した。現実にはない作り物であったとしても、その存在に救われている人間は必ずどこかにいる。自分にとって仮面ライダーとはそんな心の片隅に残り続ける、今の自分を作る大切な一つのパーツ。現実に仮面ライダーはいないけれど、その想いはきっといつか自分の支えになる日が来る。それはやがて自分のホントウになる日が来るのだろう。そんな風にこれからも沢山の物語との出会いを大切にしていきたいと思った。