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J3開幕 YS横浜vsSC相模原

J1、J2の開幕から遅れること二週間、J3の開幕戦がニッパツ三ツ沢球技場で行われた。YS横浜SC相模原神奈川ダービーである。個人的にあまりJ3の試合を見る機会がそれほどなく、ほとんど両チームに対する知識を持ち合わせていなかったが非常にコレクティブで白熱した一戦となったこの試合。J1、J2だけではなく、J3もとてもおもしろくなりそうな予感を秘めた開幕戦を振り返りたいと思う。

スタメン

ホームのYS横浜のスタメン。GKに浅沼、DFに大泉、宗近、西山雄、西山峻、MFに三沢、小澤、後藤、吉田、奥田、FWに北脇という布陣。監督は今季3シーズン目となる樋口監督。

アウェイの相模原のスタメン。GKに川口、DFに丹羽、梅井、辻尾、MFにサムエル、北井、谷澤、菊岡、徳永、FWにジョンガブリエルと大津。監督は昨シーズンまで水戸ホーリーホックで指揮を執っていた西ケ谷監督。

ハイライト

試合全体を通してゲームを支配していたのはYS横浜だった。攻守にアグレッシブなサッカーを展開し、小気味良いボール回しに攻守の切り替えの速さ、なんといっても選手感の距離感が絶妙で、非常にテンポよくパスが回っていた印象がある。

一方相模原の方はなかなか厳しい試合運びとなっていた。スターティングメンバーを見れば菊岡や谷澤、ベンチには大塚や成岡などJ経験者が数多く在籍しており、タレントとしては申し分ないほどの戦力を誇っている。ただしそこはまだ就任したての西ケ谷監督のサッカーが浸透していないのか、組織で崩すというよりは個々人の頑張りによって局面を打開する場面が多いように見えた。

ただ前半の幾度かあったチャンスをYS横浜が決めきれずにいると、後半早々に相模原が先制点をモノにする。50分、北井のドリブル突破からミドルシュート。これがゴール右上隅に決まり、相模原が先制、同時に今季のJ3の初ゴールとなった。先制されたYS横浜だったがなおもゲームの主導権を握り続け、73分に同点ゴールを決める。左サイドを突破しクロス、この試合再三いい上がりを見せていたサイドバックの大泉がボールを収め、カットインから左足を振り抜きゴールネットを揺らした。更に78分、今度はセットプレーからショートコーナーでつないだクロスに飛び込んだのは西山雄。豪快なダイビングヘットが決まりYS横浜が逆転に成功する。このまま試合終了かと思われた93分、DFの梅井を最前線に上げてパワープレーに出た相模原の執念がついに実る。梅井がフリックして落としたボールにガブリエルが反応、ワンタッチで背後に落としたボールに走り込んだチッキーニョが右足を一閃。これが決まって土壇場で相模原が同点に追いつき、それと同時にタイムアップ。最後まで盛り上がりを見せたJ3開幕戦の神奈川ダービーは2-2のドロー決着となった。

感想

試合展開もさることながら、この試合を好ゲームにしたのは両チームのクオリティの高さだった。特にYS横浜の攻守にアグレッシブなサッカーは見ていて非常に気持ちがいい。今季3年目となる樋口監督のやりたいサッカーが一人ひとりに浸透しているのがよく分かる完成度の高いチームに仕上がっているなという印象だ。相模原の方は組織の面ではYS横浜に後手をとっていた感はあるが、個のクオリティの高さはJ3の中では屈指のものがあるのでここからチームの熟成が進んでいけば相当面白い存在になると感じた。総じていうと、J3のカテゴリーでもこんなにおもしろくレベルの高いチームを仕上げてくるのかという新鮮な驚きを感じた一戦だった。J1、J2だけではなく、J3の動向にも目が離せないシーズンとなりそうだ。